「この方法がいいんです」「こうすればうまくいきます」。主張ばかりが続く説明に、説得力はありません。いい感じのことを言ってはいるけど本当かな、と思われて、話そのものが薄っぺらく聞こえてしまう。商品の説明で僕が心がけてきたのは、何かを主張したら、必ずその根拠まで伝えることです。

根拠としてよく使っているのが、お客様の声や、自分が関わったエピソードです。僕自身のセミナーでいただいた感想や、住宅営業でお客様に話を聞いてもらっていた場面を交えながら、説明にどう生かしてきたかをお話しします。

主張と根拠は、片方だけでは意味がない

主張と根拠は、基本的にワンセットです。

主張は「僕はこう考えます」という、伝えたいこと。根拠は「こういうことがあったので、そう考えています」という、それを支える材料です。いいことを言うだけでは、どうしてそう言えるのかが伝わらず、結局は信頼してもらえません。逆に、事例や事情を並べるだけでも、「結局、何が言いたいんだろう」となってしまいます。

僕も最初のうちは、主張だけで終わらず、根拠も述べることをかなり意識していました。主張だけで終わるなと教えられてもいたので、文章でも商談でも、「言いたいこと」と「それを支える話」が一緒に出ているかを気にしていたんです。根拠のほうは、相手との時間が許されるなら、どれだけ並べてもいいと思っています。

「主張」と「根拠」をセットで伝えることを表した図

知識に、お客様との具体的なやり取りを添える

説明する時には、クライアントさんや住宅を建てたオーナーさん、仲間の話を交えてきました。どこかから引っ張り出してきた知識だけを機械的に披露するのではなく、自分のクライアントさんやオーナーさんがそこに関わっていますよ、という言い方をする。自分のお客様が何を言っていたのか、どんなことが起きたのか。その話があると、これから購入しようというお客様にとっては一番イメージしやすく、納得もしてもらいやすいんです。

実際に僕のセミナーでは、「事例がすごく多くて分かりやすい」「具体的でイメージしやすい」と言っていただくことが多くあります。知識に加えて、クライアントさんや仲間の話をしていることが、その評価につながっているのだと思っています。

また、クライアントさんやオーナーさんのエピソードを見え隠れさせながら話すと、「ケイイチさんは、こんなにお客様に囲まれて仕事をしているんだ」と感じてもらえます。これがもう一つの狙いです。とはいえ僕の場合は、意識してやっているというより、もう普通になってしまっているんですけどね。

なお、自分で試した話と、人から聞いた話は分けて伝えます。例えば、Instagramライブについて質問された時、僕は自分ではやっていないと先に話しました。そのうえで「これはまた聞きの話です」と断って、うまく活用している友人から聞いた話として紹介しています。

ごまかしが効かない声ほど、信憑性は高くなる

お客様の声の見せ方は、大きく4つです。テキストでもらう、音声を録って聞いてもらう、動画を録って見てもらう、直接会ってもらう。テキストより音声、音声より動画、動画より直接会ってもらったほうがいい。理由は一つで、ごまかしが効かないからです。ごまかしが効かない声であればあるほど、信憑性は高くなります。とはいえ、テキストが無意味なわけではありません。もらえるものは絶対にもらったほうがいいです。

言葉で紹介するだけでなく、いただいた声そのものを見せることもしていました。LINEやメッセンジャーで「ケイイチさんのおかげで、こんなふうになりました」と連絡をもらった時には、そのメッセージの画面を投稿してよいか確認し、許可をいただいて紹介していました。

僕が文章を打ち直して投稿すると、どうしても「偽装したんじゃないか」という余地が残ります。打ち直せば、実際に偽装はできてしまいますから。お客様からもらったものをそのままキャプチャーして貼れば、それだけで偽装しにくくなる。偽装できないとまでは言いませんが、しにくくなった分だけ信憑性は上がります。

そのうえで、僕が一番コスパがいいと思っているのは、SNSで書いてもらうお客様の声です。普段使っているアカウントでつぶやいたものかどうかは、ちょっと調べたら分かってしまいます。だからごまかしが効かない。もらう敷居が低くて、なおかつ信憑性が高い。この2つがそろっているので、僕はSNSでいただいた声を重宝しています。

住宅営業では、オーナーさん本人に話を聞いてもらった

住宅営業をしていた時には、これから家を建てるお客様と一緒に、すでに住んでいるオーナーさんの家を訪問していました。もちろん事前に、「この日に、お客様と一緒に伺ってもいいですか」と、オーナーさんの許可をいただいています。

僕がお願いしていたのは、基本的に家に満足しているオーナーさんです。もちろん、こちらで選んでお願いしています。そのオーナーさんが、悪いことも含めて全部しゃべってくれる。この「悪いことも含めて」が本当に大切で、いいことばかり言ってもらう必要はないんです。全部話したうえで「それも含めて、いいんだよ」と言ってくれる。訪問したお客様は、その場でオーナーさんに直接質問することもできます。

僕が代わりに説明するのではなく、実際に住んでいる人から直接聞いてもらう。この場さえ作れば、100パーセントごまかしようがありません。ここまでくると、成約率はほぼ100パーセントに近づきます。これが僕の最大の武器でした。


手元の説明に、支えるエピソードがあるか確かめる

お客様の声をもらう時は、「よかったです」の一言だけで終わらず、何に悩んでいて、それがどうなったのかを聞いてみてください。僕のセミナー後のアンケートでも、来る前の悩み、解決できたかどうか、どんな人に勧めたいかを尋ねることが多くありました。

今使っている商品説明を一つ選び、「僕はこう考えます」という主張に、どのお客様のどんな声や経験を添えられるか考えてみてください。根拠が一緒に伝わると、お客様はその説明を自分の場合に重ねて考えやすくなります。

言いたいことに、それを支える話を添える。僕が続けてきたのは、この組み合わせです。自分が関わった出来事や、実際にいただいたお客様の声を使って、「なぜそう言えるのか」まで伝える。主張と根拠はワンセット。そうしないと意味がないんです。

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