「圭一さんのビジネスのイベントに行くのは、まだ勇気がないんだけど、バーベキューなら来られます」。僕はお客様から、こう言われたことが何度もあります。
お客様ともっと仲良くなりたいとき、いきなり事業相談へ誘うと、話す内容まで仕事に限定されます。無料でも、相談会には相談するための用事が要るんです。
僕が意識しているのは、何の目的もなく話せる場を作ること。そして、基本は、気軽な交流の場と、専門家としてしっかり相談に乗る場を分けることです。講師やコンサルタントなど、自分の専門性を仕事にしている方に、僕のやり方を参考にしていただければと思います。
バーベキューなら、参加も紹介もしやすい
僕の場合、その交流の場がバーベキューでした。自分でイベントを開くこともあれば、親しい方から「うちでやるから来てよ」と呼んでいただくこともあります。
「圭一さんのことを紹介したいんだけど、ビジネスの場には紹介しづらかったから、バーベキューに連れてきたよ」と言われたこともあります。参加する方だけでなく、誰かを紹介する方にとっても、気軽に来られる場になっていたんです。
ただ、敷居を下げることが、専門家としてのアドバイスを何でも無料で聞けることにつながると、ビジネスは成り立ちません。僕は、交流の場でリストマーケティングの相談にいくらでも答える、という形にはしていません。
バーベキューでは僕が肉を焼いているので、雰囲気的にも、その場で真面目な事業相談をずっとすることにはなりにくい。僕の人となりを知っていただいたあとで、「一度しっかり相談したいので、時間を作ってもらえませんか」と声がかかり、次のお約束が決まる。そんな流れになることがあります。
朝活では、一緒に作業する時間を作った
コロナ禍でバーベキューができなくなったときは、僕も焦りました。そこで始めたのが、オンラインの朝活です。交流の機会を、別の形で作ってきました。
当時の朝活「モーニングショット」では、朝5時から昼12時までZoomをつけて、一緒に作業していました。5時に来なければいけないわけではなく、10時に入っていただいてもいい。Zoomへ入れば僕がいる、という場です。
この朝活も、コンサルティングを受け放題にする場にはしていません。25分集中して5分休憩し、基本的に話すのは休憩中の5分間。ほかの方もいるので、個別の相談にはなりにくいんです。ただ、偶然僕と一対一になれば、その場で個別の相談になることはあり得ます。そこは例外ですけど。
こういう形で、専門家としての価値を保ちながら、話しかける敷居を下げていました。当時は2年半ほど続けていた朝活で、1日あたり10人弱くらいの方が来てくださっていました。
人見知りなら、手紙で声をかけてもいい
場を作っても、お客様のほうから交流しに来てくれるとは思わないほうがいいです。こちらから、きっかけを作ることは必要です。
とはいえ、僕も人見知りです。電柱の陰に3時間いたこともあるくらいで、対面でどんどん声をかけるのは、はっきり言ってできませんでした。
その代わり、僕は手紙できっかけを作ってきました。声をかけるというのは、文字どおり話しかけることだけではありません。手紙でも、直接声をかけてもいい。自分にできる方法で、こちらから働きかけるんです。
交流の場には、話せる余白を残す
僕が交流のために意識しているのは、敷居を下げること、こちらから声をかけること、分かりやすい機会を作ること、暇な時間の多いイベントにすることです。全部を兼ね備えるのは難しいと思うので、一つか二つを満たす形で考えてみてください。
「何でも相談してください」では、かえって何を聞けばいいか分からなくなります。「一緒に作業しよう」「ランチを食べながら話そう」なら、何をする場なのかが分かります。
ランチ会なら、本当にランチを食べながら交流する。飲み会なら、飲みながら交流する。それでいいんです。そこでゴリゴリとセミナーをしたり、売り込みをかけたりしたら、本末転倒です。交流の場を作ることが目的ですから。
時間割をぎちぎちに固めたイベントでも、交流は生まれにくくなります。放っておくだけでもいけませんが、自由に話せる時間を多くする。ゆるすぎるくらいの場のほうが、コミュニケーションを取りやすいと思います。

まずは、身の回りのものできっかけを作る
手元の読み終えた本があれば、SNSで「欲しい人はいますか」と呼びかけることから始められます。希望する方がいたら、送料を負担していただいて送る。新しくプレゼント用の品物を作るところまで考えず、身の回りの不要なものから試してみてください。
僕も、マウスを持ち運ぶにはかばんが窮屈だと感じて、トラックパッドに替えたことがあります。そこで余ったマウスなら、例えば「欲しい人はいますか」と声をかけてもいい。そんな気軽な発想で構わないと思います。
「バーベキューなら来られます」と言ってくださったお客様がいたように、交流には、相談する用事がなくても来られる場が役立ちます。気軽に話して人となりを知っていただき、専門的に相談したいときには、基本は別の時間を取る。僕が作ってきたのは、その二つを両立できる関係です。
