こんにちは、WEBセールスプランナーの長嶺圭一郎です。
「お客様に寄り添いましょう」と言われると、どこまで応えればいいのか迷いませんか?
相手の希望を全部受け入れれば、自分が疲れてしまう。かといって、こちらの正しさを押しつければ、関係はうまくいきません。
僕は、寄り添うことは「言いなりになること」ではないと思っています。お互いが無理をしない着地点を探すことです。
そのために、僕はまず相手の話を最後まで聞きます。こちらの説明は、その後です。
「案内したのに伝わらない」は、相手の不注意とは限らない
以前、メール配信をテーマにしたオンラインセミナーを開催した時のことです。
セミナー中、Zoomのチャットへ次回案内とアンケートのリンクを流しました。しかも、一度ではなく複数回です。
それでも終了後に、こんな質問が届きました。
「次回の案内は、どこにありますか?」
開催側からすれば、「チャットに流したじゃん」と言いたくなる場面です。
ところが、参加者全員がパソコンで見ているとは限りません。スマートフォンで参加している方は、チャットを開くとセミナー画面が見えにくくなります。こちらには見やすい導線でも、相手には見つけづらかったわけです。
この時、僕は「なぜ見つからなかったのか」を、相手の画面と行動から考え直します。
寄り添うことと、言いなりになることは違う
寄り添う範囲を決める基準は、Win-Winになっているかどうかです。
お客様に合わせ続けて、こちらだけが時間や気力を失う関係は長続きしません。反対に、専門家が「そんなことも分からないんですか」とマウントを取れば、お客様の側が離れていきます。
目指すのは、双方にとって無理のない関係です。
僕は、お客様と僕たちはWin-Winであるべきだと考えています。
- 相手に合わせすぎて、こちらだけが苦しくなる
- 専門家の都合を押しつけて、相手だけが置いていかれる
この二つを避け、相手と自分の両方が続けられる着地点を探します。
価値観がずれたら、まず話を聞き切る
価値観が合わないと感じた時、僕はまず相手を理解することに徹します。
相手が何を求めているのか。何に困っているのか。どこで話が食い違ったのか。まず、相手が言いたいことを最後まで聞きます。
この時、先回りして結論を言わないことも大切です。
「つまり、こういうことですよね」
と途中でまとめたくなりますが、その理解が外れていれば、そこから話は余計にこじれます。相づちは打っても、こちらの意見を急いで挟まない。相手が言い切ってから、こちらの考えを伝えます。
話しているうちに、相手自身の情報が整理されることもあります。「自分で話していて分かりました」と解決することもありますし、「すみません、失礼なことを言っていました」と気づかれることも、僕は実際に経験しています。

専門家の仕事は「正しさを伝える」より「翻訳する」
ビジネスでは、専門家とお客様の知識量が違って当たり前です。
専門家にとって簡単なことが、お客様にとっては大きな壁かもしれません。僕にとってはメールを書くことが難しくなくても、初めて配信する方にとっては、設定も文章も不安だらけです。
専門知識をそのまま投げても、相手には伝わりません。
以前、地域創生に取り組む方が「僕の仕事は翻訳家です」と話していました。
ここでいう翻訳とは、新しい技術やマーケティングの言葉を、地域の方が受け取りやすい言葉へ置き換えることです。反対に、地域の事情や価値観を理解し、専門家側へ伝える。その間をつなぎます。
その方は、地域を歩き回り、地元の人が驚くほど地域の店や魚のことを調べていました。先に相手の世界を知ろうとしたからこそ、こちらの提案も聞いてもらえるようになるのです。
お客様と価値観が違う時も同じです。正しさを強く言う前に、相手が使っている言葉へ翻訳できないかを考えます。
聞いても歩み寄らない相手は、丁寧に断っていい
最後まで話を聞けば、どんな相手とも付き合い続けなければいけないのでしょうか。
僕は、そうは思いません。
こちらが理解しようとした後も、相手がこちらの事情を一切聞こうとしない。無理な要求を続ける。こちらへの敬意がない。そういう場合は、「申し訳ありませんが、お役に立てそうにありません」と丁寧に断っていいと思っています。
「お客様は神様」という言葉は、販売する側が自分を戒めるための姿勢であって、お客様が無理な要求を通すために振りかざす言葉ではありません。
寄り添うことには、境界線も必要です。
まとめ|寄り添うとは、双方の着地点を探すこと
価値観が合わない相手との対話は、まず相手の話を聞き切るところから始まります。こちらの専門用語を相手の言葉へ置き換え、双方に無理のない着地点を探す。それでも歩み寄りが成立しない場合は、丁寧に断っていいと僕は思っています。
次のお客様対応では、まず「相手の話を遮らない」という一つから始められます。相手が自分の考えを整理し、こちらの話も聞いてくれるようになれば、双方の着地点を探す会話へ進めます。
次にお客様との価値観のずれを感じたら、こちらの意見を先回りさせず、相手が言い尽くすまで聞いてみてください。相手がこちらの話も聞こうとするかどうかが、関係を続ける判断材料になります。
相手がこちらの話も聞こうとするかどうか。それが、関係を続けるかを決める境界線になります。
