責任が伴いそうな話が来ると、僕は逃げるんです。「僕はまだまだなので」と、ついつい言ってしまう。自分に保険をかけてしまうのが、僕の本当に悪い癖です。
それでも「お任せください」だけは、商談のときは絶対に必ず言うようにしています。「僕に任せてもらったら大丈夫です」と言い切る。相談してくる方は、不安で不安になってきている方がほとんどです。だから受ける側は、どしっと構える。
お客様へ伝えた言葉が、自分を動かす
正直、内心は不安だらけです。「大丈夫かな、大丈夫かな」「やったことないけど大丈夫かな」と思っています。その場その瞬間には、はっきり言って問題解決の糸口がないこともあります。それでも「お任せください」「なんとかします」と言う。
この言葉はお客様の安心につながり、僕自身にも「お任せくださいと言った以上、やらないと」という気持ちが生まれます。言葉が自分のエンジンにもなる。相談を引き受けるときに、この一言を大切にしている理由です。
頭に浮かんでしまうのは仕方がありません。そこをコントロールするのは無理ですし、心で思うなとまでは言いません。思うのは思う。でも、口にしないようにしましょう。僕が変えようとしているのも、不安になった瞬間に口へ出してしまう癖のほうです。
「いつかやりたい」を、始める日と終える日に変える
僕が心がけている言葉は、もう一つあります。数字にすることです。「あれをやりたい、これをやりたい」で終わらせず、じゃあいくつを目指そうという目標数値を置く。納期も同じです。一瞬考えたくないと思いますが、この仕事をいつまでにやらないといけないのかを口にする。
あるクライアントさんと、商品の販売に向けて打ち合わせをしたことがあります。その方は、段階を踏んで商品を案内するのが初めてでした。僕たちは「12日に始めて、18日に終える」という日程を置き、販売までの段取りを具体的に話していきました。
すると、その方は「すごく楽しいです」と大喜びしてくださいました。いつかやりたいと思っていたことが、目の前でどんどん具体的になっていったからです。僕も、日付や数字で見えるようにすることの大切さを感じました。
「いつか」なら、まだ時期を曖昧にしたままでいられます。でも数字は、どう解釈しても3は3だし、4は4です。絶対に別の解釈ができない、ふわふわしない存在なんです。数字に置き換えて物事を言う、それを口に出す。多分、あなたの心はそれで決まります。

踏みとどまりたいときに、思い出す言葉を持っておく
とはいえ、僕はもともとネガティブな人間です。前向きな言葉を選ぼうと思っていても、つい弱気になることはあります。そんなときに支えになっているのが、昔の職場の入社式で聞いた「今を頑張れ。過去と未来はこれからだ」という言葉です。
未来がこれから変わるのは分かる。でも、今を頑張れば過去も変わるのかと、僕は受け止めました。辛かった経験を負の遺産のままにするのか、経験値として次につなげるのかは、今の自分次第。この言葉を思い出すと、もう一度前を向けます。
僕にとっての「お任せください」も、この言葉も、自分が進みたい方向へ意識を向けるための言葉です。いい言葉に出会ったら残しておき、普段から口にするようにしてみる。そうやって、自分を支える言葉を持っておくのもいいと思います。
まず、今の仕事で使う一言から
次に相談を引き受けるとき、つい「僕はまだまだなので」と逃げていないか、自分の返事を一つ確かめてみてください。やりたいことの計画なら、いつ始めるか、いつ終えるかまで言ってみる。これは意識して得られるものです。「そんな習慣ないわ」と口にしたら、習慣がないのが自分の中で当たり前になっていきます。
不安がなくなるのを待たなくても、口にする言葉は選べます。僕が商談で「お任せください」と言うのは、お客様に安心してもらい、自分もその仕事へ向かうためです。口にすることをコントロールしていれば、いつしか内面のところも変わっていきます。これは、僕が結構経験してきたなと思うところです。
