住宅営業をしていた頃、「また相談します」「検討して、こちらから声をかけます」と言ってくださったお客様を、期待して待っていたことがあります。それなのに、後から別の会社で契約したと聞く。僕は「信じていたのに」と落ち込んでいました。

一度は全体朝礼で「僕はお客様をもう一生信じません」と話してしまったほどです。たまたま腹を立てた直後が、僕の話す番だったんですけど。今でも昔の同僚と話すと、その話題が出ます。

お客様の中には、「検討するって言ってたんだけど、別の会社から何万円割引しますってクーポンの話が来てね。チャンスだと思って、そっちに決めちゃったんだよ。ごめんね」と、わざわざ電話をくださった方もいました。悪気はないんです。そのお客様は、本当に僕のところへ相談に来るつもりだった。それでも、たまたまいい話が来たらそちらへ行く。何度も言いますが、お客様に悪気はありません。

住宅営業は、売れるかどうかで天国と地獄です。営業成績に「ほどよく頑張った」はありません。1本でも契約が通れば英雄、0本なら「お前は何の役にも立たねえな」。本当に0か1の世界で、こっちは人生がかかっています。けれどお客様は「長嶺さんには、ほかにもたくさんのお客様がいるだろう」と思っている。僕は、その意識の違いを見落としていました。

好意があるからこそ、相談の連絡は来なくなる

ファンになってくれたお客様が、こちらに声をかけてくれる。これは幻想だと思ってもらって結構です。僕のことを好きでいてくれる方であればあるほど、「きっと忙しい人だから」「この程度のことで声をかけたら迷惑に違いない」と、一歩引くんです。裏切られたわけではありません。良くも悪くも、気を使ってくださっているんです。

そこで必要になるのが、相手から連絡しやすいきっかけです。直接売り込む方法もありますが、僕は「こちらから声をかけます」と言われた相手に迫るのが苦手でした。だから、自分にできる形で相談のきっかけを作ってきました。

メルマガで募集したら、待っていた方が動いた

コンサルティングを募集したときは、ランディングページも、決まった順番で配信するステップメールも用意していませんでした。メルマガの文章で案内し、「興味がある人は個別にお話ししましょう」と呼びかけたんです。

この案内から個別相談につながり、100万円を超える収益になりました。募集は定数を超え、僕の対応できる範囲を考えて早々に締め切りました。

新しい案内を読んで急に欲しくなったというより、「いつかお願いしようと思っていたところに、きっかけが来た」という方が動いてくださったのだと、僕は受け止めています。僕が作ったのは、そのきっかけでした。

ただ、これを「販売ページを省けば売れる」という話にはしたくありません。僕自身、準備を怠けていた面もあります。すでに僕の発信を読んで、相談したいと思ってくださっていた方への募集だったことが、この経験の前提です。

ポイントが貯まったことも、相談する理由になった

メルマガには、アーカイブのリンクを開くとポイントが貯まり、僕のサービスと交換できる仕組みも取り入れていました。「ポイントが貯まったのでお願いします」と、個別相談に来てくださる方が定期的にいらっしゃいました。

お客様は、ポイントが貯まったら相談しようと心づもりをして待っていた。そのタイミングが来たので、予約してくださいました。「いつか」を「今」にする理由を、こちらから用意したわけです。

ちなみに、「いつでも相談窓口を開いてます」とPRするだけでは、正直あまり意味がありません。窓口を知らせること自体は必要なんですが、ファンである人ほど、こっちが忙しそうだからと気を使って一歩引いてくださるからです。だから僕は、一言、二言を気軽に交わせる場として、バーベキューや朝活を開いてきました。そこで交わすひと言が、最初のきっかけになります。

スマートフォンを見ながら迷う人と、案内板を掲げるキツネの図

待つ前に、相談できることを知らせる

今送っている案内を見て、興味を持った方がどこで相談できるか分かるか、確かめてみてください。僕のようにメルマガで個別相談へ誘ってもいいですし、バーベキューでなくても、オンライン飲み会のような場でもかまいません。大切なのは、自分から連絡してよいのだと相手に分かる形にすることです。

「また相談します」と言われたら、期待して待つだけにしない。住宅営業で落ち込んでいた僕に足りなかったのは、お客様をもっと信じることでも、疑うことでもなく、相談に動けるきっかけを渡すことでした。相手の好意を、相手任せにしない。それが僕の選んだやり方です。

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