住宅営業をしていた頃、月末の会議までに必ず提出しなければならない表がありました。新規のお客様の数、電話数、訪問数、商談数、成約数。今月どれだけ動いて、どこまで進んだのかを、Excelへ細かく記録する表です。

出していなければ「お前、何やっとるんや」と言われる。正直、当時は「書かされている」という感覚もありました。

独立してから、あれをやっていて本当によかったと思いました。あの表があったおかげで常に前進できていたし、それが必ず結果にも反映されていたからです。今も、自分で進捗を確認するようにしています。

月末というと、来月の予定を立てましょう、という話になりがちです。でも僕は会社員時代に「来月の予定を立てろ」と命令されたことはありません。やらされていたのは、もっと手前の段階でした。今月、自分はどれだけのことができたのか。この進捗を確認せずに予定を立てても、はっきり言って意味がないです。

同じ成約0件でも、来月やることは変わる

住宅営業の表では、成約数だけでなく、その手前の数字を細かく見ていました。新しく何人のお客様と出会ったのか、手元に何人のお客様がいるのか、何件電話し、何件訪問し、何件商談したのか。

たとえば、今月の成約が0件だったとします。契約につなげるための行動すらも少なかったのなら、来月もゼロを叩く可能性が高いです。

一方、契約につなげるための数字がこれだけ立っていたなら、今月はそこに注力していたから契約には至らなかった、そこにはリソースを割けなかったんだな、と分かります。逆に来月は契約に動かなければいけない、という話になります。

同じ0件でも、その裏側の数字が増えているか減っているかで、ゼロだったことに対する解釈は変わります。結果に至るまでの数字を見ることで、来月どこに力を入れるかが変わるんです。

記録があると、月初の打ち合わせが具体的になる

会社員時代の記録は、過去5年分が管理されていました。訪問数も、相談客への訪問、オーナー様への訪問、不動産への訪問と分かれていましたし、契約数のほかに受注残の保有数、引き渡し数、売上の金額まで。車のキロ数、どれだけ走り回ったかも記録されていました。

月末にその表を提出すると、月初の打ち合わせでは「先月はこうだったから、今月どう動くんだ」という話になります。

結局、進捗表がなければ月初の計画は立てられないんです。先月どう動いて何がどうなったのかが数字で残っているから、今月どう動くかを決められます。

といっても、僕の営業マン時代のところまでやらんでいいですよ。最初は本当にざっくりしたところからで大丈夫です。今、自分が伸ばしたいと思っている項目だけで十分。やっていくうちに、勝手に細かくなっていきますから。

「忙しかった」と「目標が進んだ」を分けて見る

独立後に数字を確かめて、落ち込んだこともあります。

ゼロリスを立ち上げた直後の月末には、前夜祭の特典を発送するなど、細かな仕事が重なっていました。書籍だけでも20冊近くを送り、ほかの特典も手配する。動いている実感はあります。

それでも、その月末の朝に進捗を確認すると、「ここ、全然進んでいないな」と、少し打ちひしがれました。やる必要があるのに進められていないことが、見えてしまったんです。

僕は本当に、追い詰められないと動かない人間です。基本グータラですから、サボれる隙があったらすぐサボるし、後回しにできるものはとことん後回しにする。僕が動ける唯一の理由が、追い詰められたときなんです。

進捗を確認しないと、理想としている自分に対して今の自分が何パーセントの出来栄えで動いているのかが分かりません。僕はそれを見ると焦ります。このままじゃまずい、やばい動かなきゃ、と。良い意味で焦ることができるんです。

人は弱いので、別の課題を優先させた結果動けなかったことを、「そっちを頑張ったから今月はよし」と処理してしまいます。本来進みたかった方向に頑張ったわけではないのに、なんとか自分を納得させる。これを毎月繰り返している人は、たぶん少なくありません。ほかの仕事を頑張ったかどうかと、進めたかったことが進んだかどうかは、分けて確認してください。

図面作成に3時間かかっていた自分が、30分でできるようになるまで

仕事の件数に加えて、作業にかかった時間も自分の状態を教えてくれます。僕は住宅営業の頃、家の図面をコンピューター上で描き直す仕事で、最初は3時間ほどかかっていました。

そこから、タイムアタックのように作業時間を少しずつ短くしていったんです。最終的には、30分くらいでできるようになりました。最初から30分でできたわけではありません。

自分の仕事にどれくらい時間がかかるのか、案外分かっていないものです。「これくらいでできるはず」と思って予定を入れても、実際には終わらない。だから、まず実際の自分を知り、そのうえで時間を短くする努力をしていくことが大切だと思っています。

月初と月末で、何が変わったかを数字にする

フォロワーを増やしたいのか、メルマガ読者を増やしたいのか、企画の段取りを進めたいのか。目標にしているものは人それぞれ違います。ただ、それが月初と月末で何が変わっているのかは、必ず確認してください。フォロワーなら、アナリティクスを見れば1か月の増減がパッと見えます。

この振り返りは、できるだけ数値化してください。「今月はこんだけ頑張った」というふわふわした文章的な振り返りではなく、何件だったものが何件になったのか、数字に置き換える。さらに言えば、毎月同じ項目をExcelやスプレッドシートの表にして記録を残せるようにするのがベストです。あとから3か月、半年、1年と期間を広げて振り返るための材料になります。

月初と月末の数字を確認し、来月の予定を考える流れ

まずは月1回、月末には必ず進捗確認をやると決めてください。進めていない現実は直視したくないので、区切りを決めておかないと、ついつい見ないふりをして後回しにしてしまいます。

1日ならモチベーションが低い日もあり、1週間なら雑用が重なる週もあります。でも1か月となると、「今月はたまたまダメだった」はさすがに無理があります。1か月単位で見て進捗が低かったなら、それは何かしら問題が発生しています。たまたまだとか、周りの環境がどうこうで片づけられる話ではありません。

慣れてきたら、確認の間隔は短くするに越したことはありません。僕が参考にしている『鬼速PDCA』という本には、2週間でやれと書いてあります。スティーブ・ジョブズも大学の卒業スピーチで、1週間前の自分と今の自分に全く変わりがないのであれば何かを変える必要がある、という趣旨のことを言っていました。ただ、この2人はおそらく超人の域です。いきなりそこへ飛び込むと自滅するので、まずは1か月単位から。


来月の予定は、今月の進み具合を見てから

今月伸ばしたかった項目の数字を、手元の記録から見てみてください。それが自分にとって理想どおりなのか、計画どおりなのか。計画どおりじゃないんだったら、これを上積みするにはどうすればいいのかを考える。そこまでやって、ようやく来月の予定を立てる番です。

数字を見ると、「うわぁ、全然できていなかった」と気分を下げることになるかもしれません。逆に「意外と今月、僕頑張ってるじゃん」と手応えを感じる結果になるかもしれない。そこは人によって変わりますが、どちらにしても絶対に何かしら、来月の自分の弾みには必ずなります。

会社員時代には提出するために書いていた表が、独立後は、自分の進む方向を確かめるものになりました。「じゃあ来月から頑張ろう」なんて言っちゃダメですよ。今日からです。来月の予定を埋める前に、必ず進捗確認をしましょう。今月、あなたは何ができましたか。

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