「ゴールから逆算してスケジュールを考えるのが苦手です」と相談を受けたことがあります。予定を組もうとすると、追い詰められるように感じる。そういう人に僕が勧めているのは、最初の計画をざっくり作ることです。
先に決めるのは、実現したい時期と、そこまでの大きな節目です。細かな作業を全部埋めるのは、その後でいい。住宅営業で納期を伝えていた経験と、複数の仕事を動かす中で試してきた予定の組み方から、僕が大切にしていることをお話しします。
住宅営業では、完成したい時期から日程を戻していた
住宅営業をしていた時は、お客様が家を建てたい時期から逆算していました。その時期に完成させるには、いつ着工する必要があるのか。着工に間に合わせるには、その1ヶ月半ほど前までに設計が終わっていないといけない。そうやって日程を戻し、「それなら、この時期には契約が必要ですね」と話していたんです。
ここで僕が心がけていたのは、最初から余裕のない予定を提示しないことでした。実はもっと短縮できる場合でも、通常かかる期間の1.5〜2倍ほどを見込んで納期を伝えることが多かったです。最初のざっくりした段階できつきつにしていると、後の時間調整が大変なことになります。だから、最初からぎりぎりのスケジュールで逆算するのは、個人的にはお勧めしません。まずは余白を持った、大まかな日程でいいんです。

商談で即答する力より、先に考えておく準備
僕は、営業の9割が準備だと思っています。
僕自身、そんなにコミュニケーション能力が高いわけではありません。お客様と話しながら、次から次へとポンポンとアイデアを出せる人間でもない。だから、商談で提示するかもしれないことは、先に想定して用意していました。お客様に伝えるスケジュールも、その準備の一つです。
納期の話は、住宅以外でもついて回ります。たとえば「10月の末に個別相談をご予約いただいて、11月の上旬にリストマーケティングの理屈をお話しできれば、おそらく年末年始の調整に間に合いますよ」。今このオファーを受けると、いつメリットが出るのか。それを言えるかどうかです。
ただ、これをその場で臨機応変に組み立てようとすると、やはり経験が必要になります。だから僕は、あらかじめ考えて、どこかにメモしてあります。逆算が苦手なのはしょうがない。でも必要なことなので、1回がっつり時間を作って考えてみてください。
大まかな計画を、目の前の仕事へ落とし込む
予定を作った後は、実際に動きながら細かいところを調整していきます。これは商談の納期だけの話ではなく、普段のスケジュール管理も同じです。皆さん、最初から1日単位の予定を年間計画で組もうとしますけど、絶対に無理なんですよ。
僕は住宅営業マン時代、「年間8棟売りなさい」というノルマがありました。年間8棟と言われても、何から手をつけていいか分からなくなります。でも4分の1に割れば、第1四半期の3ヶ月で2棟です。じゃあ今、相談中のお客様はいるのか。いない。なら最初の1ヶ月は契約のことを考えず、とにかく相談客を増やす。残りの2ヶ月で、1ヶ月に1棟ずつ契約する。そうやってざっくり細分化していけば、予定は立ちます。大きな数字に、いきなり細かい計画を当てないでください。
僕自身も、複数のお客様の案件やセミナーの準備が同時に進む中で、予定の見方を工夫してきました。普段の予定を確認する時は、1日だけでなく、1週間や2週間のまとまりで見ていました。「ここを終わらせないと、次の予定に影響する」と分かるからです。前後のつながりが見えている方が、今の仕事を何のためにしているのかを、その都度考え直さずに済みます。
ただ、作業に集中したい時まで1週間分を見ていると、僕はあれこれ考えてしまいました。そこで試したのが、Canvaのホワイトボードに、目の前のタスクを分けて置く方法です。「60分以内にやること」「今日中にやること」「明日やること」などの枠を作り、付箋を貼るようにタスクを入れていました。
試し始めたばかりの方法でしたが、僕には意外としっくりきました。全体の流れを確認する時と、今やることだけに集中する時とで、予定の見方を変える。大まかな計画を持ちながら、目の前の作業へ落とし込むための工夫です。
予定は、朝に届いた連絡も踏まえて組み直す
もう一つ、僕が変えたのは、予定を整理する時間帯です。夜に考えても、朝起きるとメールが届いていて、予定が変わることがありました。それなら朝にまとめて整理する方が楽だと考え、毎朝30分ほど、スケジュールを確認する時間を取るようにしていました。
最初に確認するのは、お客様との面談予約です。面談を先に予定へ入れ、その間の空いている時間に、直近2日間で進めるタスクを入れていました。面談の準備やほかの仕事の時間を確保するため、予約システムでは3日以内の面談が入らない設定にもしていました。個別の急な相談に対応することはあっても、自動で予定が埋まらないようにしていたんです。
僕も、スケジュール管理を完璧にできているとは思っていません。だから予定が崩れやすい人は、何にどれだけ時間がかかったのかを必ずチェックしてください。計画どおりに動けなかった原因は、2つしかありません。集中力が足りなかったか、そもそも工数の見積もりが甘かったかです。集中力なら、集中できる環境を作る。どれだけ頑張っても間に合わなかったのなら、2時間かかるものを1時間で見積もっていた、ということです。その見積もりを見直して、次の予定に生かしてください。
最初の計画は、動き出すための大きさでいい
次の商談を準備する時は、手元のメモに、お客様が実現したい時期と、そこまでの大きな日程を書いてみてください。余白も含めて一度考えておけば、その場の発想だけに頼らず、予定を伝える準備ができます。
最初の計画は、粗くても大丈夫です。実際の仕事や届いた連絡に合わせて具体化し、かかった時間から見直していく。逆算に追い詰められるような感覚があるなら、まずは余白のある日程から始めてみてください。僕が心がけているのは、ざっくりした逆算からの提示です。あまり細かく話しても、お客様の方がこんがらがってしまいますから。
