セミナー資料を作るとき、次に何を話すか考えながら文章を書き、その場でデザインも整えていませんか。一枚ずつ出来上がっていくので早いように思えますが、実際は早くなりません。僕はこの進め方を避けています。
僕が先に作るのは、話す内容と順番です。構成ができてからスライドへ文字を置き、全体を見直して、最後にデザインを加えます。
スライドを早く仕上げるために、考える時間まで削らない。構成を考える作業と、スライドを仕上げる作業を分けるのが、僕の資料作りです。
本番の1時間42分前に着手できた理由
ペライチのセミナーで、初めて扱うテーマのスライドを、本番の1時間42分前から作り始めたことがあります。開始時刻には間に合いましたが、この数字だけで「最初から約100分で作れる」と思われると、ちょっと違うんです。
その前に、話す内容と順番をマインドマップで作ってありました。むしろ、このときは構成を考えるほうに、1時間42分より長い時間を使っています。全体を通せば、たぶん4時間くらいはかかっているはずです。
テーマはメルマガのコンセプト作りでした。自分の中では普段から考えていることでも、複雑なまま話したら、聞く方には分かりません。どこで何を話せば簡潔に伝わるかを考え、本も読み直しながら、全体の流れを組んでいたんです。
別の機会には、3人の講師が1時間ずつ担当するセミナーで、前の方が話す60分の間に、自分のスライドを作ったこともあります。このときも構成はすでにあり、別の仕事でスライドを仕上げる時間が取れていなかった、という事情でした。
先日、知り合いの起業家さんが「1時間でランディングページを作れる」というライブ配信をしていたので、見に行ったんです。結局そこで作っていたのはLPの構成だけで、「あとはこれに文章を枝葉つけるだけです」と言って1時間で終わっていました。要は、1時間でLPを作ってはいないんですよね。
僕は直前に作ることをすすめたいわけではありません。世の中のタイムアタック系の話は、たいてい一部を切り取って「早くできる」と言っているだけで、全体を通せばそこそこ時間がかかっています。僕の1時間42分も同じです。短時間でできるという話は、僕のものも含めて鵜呑みにしない方がいい。クオリティの高いものを作ろうと思えば、それなりに時間はかかります。
構成では、話す順番と入れない情報を決める
僕は、マインドマップにセミナー全体の流れを作ります。いまはGitMindというツールで、どこで何を話すかを上から順に決めていく形です。
意識しているのは、話が前後したり、急に別の話へ飛んだりしないこと。順番が崩れると、それだけで聞き手の理解度は一気に下がります。大人は、淡々と羅列された情報を覚えるのが苦手です。その代わり、エピソード記憶といって、一連の流れがある話、ストーリー性のある話は記憶に残りやすい。だから僕は、セミナー全体が流れるようにつながることを、構成の段階でかなり意識しています。
たとえば僕は、セミナーの前半でぼそっと話したことを、後半で「そういえばさっき、この話をしましたよね。実は、これのことなんです」と拾うことがあります。そうした伏線も含めて、先に構成を考えています。
自己紹介も、その日のテーマに合わせて変えます。たとえば、少ない集客から成約につなげるセミナーなら、住宅営業で来場者の少ない営業所にいた経験を入れる。そういうテーマでなければ、そのエピソードを省くこともあります。
自己紹介に入れるのは、そのセミナーに必要な情報です。聞き手を混乱させる情報は外す。僕にとって構成作りは、話を足すだけでなく、何を入れないか決める作業でもあります。
まず文字だけを置き、全体が見えてからデザインする
構成ができたら、真っ白なスライドへ、マインドマップに書いた内容を上から順に移します。「このページではこれを伝える」「次のページではこの話をする」と、決めてある文章を貼り付けていきます。
この段階のスライドは、本当に白地に文字だけです。入力したそばから装飾することはせず、まずは全ページへ内容を置いていきます。
一通り移し終えてから全体のバランスを調整し、その後でデザインに入ります。構成を考え、文字を書き、見た目を整える。この三つを一枚ごとに繰り返さない。仕事は分けた方が早いんです。

流れを考えながらスライドを作る。これは絶対にやってはいけません。一度通して見たときに「この話、すごく分かりづらいぞ」「どうしてこのページを作ったんだっけ」となって、話している本人の頭の中まで大混乱します。先に順番が決まっていれば、スライドへ移すときに迷うことはありません。
過去の資料を使うときも、今回の構成に合わせる
僕は過去のセミナー資料を、全部Canvaに残しています。リストマーケティングという同じテーマでやっているので、「この説明は前の資料が使えるな」というところが、結構たくさんあるんです。
そういうページは、過去の資料から持ってきて、必要に応じて手を加えて使います。先ほどのメルマガのセミナーも、確か半分ほどは過去の資料を使ったはずです。すべてのページを白紙から作ったわけではありません。
構成の中で何を説明するかが分かっているから、使える資料も選べます。素材がその場で手に入ることに加えて、こうして過去の資料を使い直せる。プレゼンを作るなら、Canvaが一番効率的だと僕ははっきり思っています。
セミナーのデザインは、正直なところ自己満足
以前は、ペライチのセミナーに毎週登壇していた時期が、3ヶ月ほどあったんです。さすがに毎週だとスライドまでは無理です、と主催者へ話して、その頃はマインドマップだけでセミナーをやっていました。
それでも満足度は低くなく、むしろ高いと褒めていただいていました。身も蓋もない話ですが、構成さえしっかりできていれば、スライドは極端に言えばなくてもなんとかなります。マインドマップだけでセミナーはできてしまう。これは僕の実績値です。
ただ、マインドマップだけでやるのは、傍から見て手抜き感があります。だからスライドは作っている、というのが正直なところです。
ただし、僕が住宅営業で作っていた提案資料は別です。どんな家や空間になるかは文字だけでは伝えきれず、デザインが重要でした。セミナーでも、見せることが重要な内容なら、同じように考える必要があります。
メルマガのコンセプト作りは、参加者と一緒に考える内容が中心でした。実際の資料には、白地に文字だけのページもかなりありましたが、その回の満足度は5段階で約4.9。デザインがなかったから評価が下がったかというと、全然下がっていません。この満足度が、全てを物語っていると思います。
だから、見た目をどこまで整える必要があるかは、今回伝える内容に合わせて考えます。時間があれば、僕ももっと仕上げたい気持ちはあります。けれど、装飾はやりだすとキリがないので、この時間で完成させると決めて、オーバーしたらそこでストップしています。
次の一枚を飾る前に、話す流れを確かめる
今ある作りかけの資料で試すなら、まず話す項目を、伝えたい順番に書き出してみてください。どこで何を説明するかが決まってからスライドへ移し、最後に見た目を整える。これが、僕が作業を分けている順番です。
もちろん、何でも削ればいいわけではありません。本当に何が必要なのかをないがしろにしたら、満足度は下がるし、クレームも入ります。聞き手に必要な話と、理解するために欠かせない見せ方は残す。そのうえで、先に時間をかけるべきところと、後から仕上げられるところを分けるんです。
構成ができていると、スライドを作る気持ちも楽になります。迷うことがないので、結果として時短にもなっている。だから、まず構成を考えましょう。全ては構成です。マインドマップ、最強です。
