事業の方向性について聞かれたとき、僕は「これまでの流れを、もっと伸ばしていきたい」と答えたことがあります。41歳になる前に、これから何をするのかと聞いていただいたんですね。
言葉にすると、超つまらない回答です(笑)。でも、新しいことをやりたくないわけではありません。お客様や時代が変われば、同じ仕事を続けていても、新しい挑戦は出てきます。
僕が変えたくないのは、お客様が本来力を使いたい仕事に、ちゃんと力を使えるようにすること。そのための仕事の形や道具は、どんどん変えていきたいんです。
同じ仕事でも、お客様が変われば挑戦は変わる
僕が住宅営業をしていた会社では、営業マン自身が図面を引いていました。自由設計なので、お客様によって間取りもプランも変わります。毎回、違うコンセプトの家を販売していたわけです。
今の売上アップやプロモーションの支援も、相談をくださる方によって、伸ばしたい事業が違います。「それ、面白いですね。やってみましょう」と、一緒に考える内容も変わるんですね。
住宅営業の頃も今も、ある意味では同じ仕事を続けています。それでも、相手が違えば、結果として新しいチャレンジになる。飽き性の僕があまりマンネリを感じずに続けてこられたのは、この仕事の恩恵だと思っています。
だから、今の仕事とは全く違うことを始めないと、新しい挑戦にならないとは思っていません。僕の場合は、お客様の仕事を支えていく中で、新しいことをやりたい欲求も満たされているんです。
集客や販売に時間を使う、その先に何があるか
お客様の仕事を支えるとき、僕が大切にしているのが、本来力を使いたいところへ力を使えることです。
例えば整体師さんなら、自分の技術で人の苦痛を和らげたい。そのためにお客様を集め、施術を買っていただく必要はありますが、集客や販売そのものに情熱を燃やしているとは限りません。
集客やマーケティングが仕事の僕は、少し特殊です。多くの方にとっては、自分が届けたい価値につなぐための手段なんですよね。そこに力の大半を使い続けるのは、しんどいだろうなと思います。
僕は、その負担を減らすために、手紙でセールスをしていた頃から、リストマーケティングを使ってきました。効率化や自動化、繰り返し買っていただくこと、商品の高額化を通じて、事業を支えたい。この軸は、ずっと変わっていません。
AIを取り入れたいと思ったのも、その流れの中にあります。苦手だけれど考えなければならないことを肩代わりしてもらい、本来の仕事に力を使えるようにする。僕自身の仕事を効率化するためにも、お客様のためにも使いたい。新しい道具が登場したら、この目的にどう生かせるかを考えています。

コロナ禍で始めた仕事が、次の柱になった
仕事の形を変えてきた経験として、大きかったのがコロナ禍です。僕はそれまで、バーベキューを通じた活動をしていました。それが止まり、事業を存続させ、弱らせないために、朝活やオンラインセミナーを始めたんです。
その朝活の一つが、毎朝のビジネスラジオ「朝ビジ」です。800何日も続けていた頃には、あちこちで「聞いています」と声をかけていただくようになりました。まさか、自分の代名詞のような存在になるとは思っていませんでした。
朝活もオンラインセミナーも、事業を支える柱になってきた。ところが、そこへバーベキューの活動も戻ってきたんですね。新しく始めた仕事と、以前の仕事を、昔のまま全部やろうとしたら、僕は絶対にパンクします。
そこで必要なのは、うまくつないで動けるように、効率化を考えることでした。これまでの流れを伸ばすと言っても、昔のやり方をそのまま増やすつもりではありません。
目的を持ったまま、新しい話を引き受ける
これまでの仕事から、新しい挑戦の話をいただくこともあります。商工会議所でリストマーケティングのセミナーをする相談をいただいたときも、僕は「ぜひチャレンジさせてください」とお伝えしました。
リストマーケティングは、一般の方には伝わりにくい言葉です。話をつないでくださる方も、よく分からないとおっしゃっていて、チラシにどう書けばいいかも含めて打合せをしているところでした。それでも、僕が続けてきたことを、新しい場で伝える挑戦でした。
新しい仕事や道具を取り入れるときは、自分が本来どこへ力を使いたいのか、どんな価値をお客様へ届けたいのかを、考えてみてください。僕なら、お客様が本来の仕事に力を使えるようにすることです。
「これまでの流れを伸ばす」という僕の答えには、住宅営業で毎回違うプランを考えていた頃からの仕事も、コロナ禍に始めて柱になった仕事も入っています。残したいのは、お客様の仕事を支える目的。方法は新しいものを拾いながら変えていくし、仕事が増えたら、パンクしない動き方まで考える。それが、僕の事業の広げ方です。

