どうも、コピーライターの丸田です。
先日読んだ本がかなり良かったのでぜひともシェアしたいと思います。
現代の若者のリアルを綴った良本「つくし世代」という本です。
[amazonjs asin=”4334038484″ locale=”JP” title=”つくし世代 「新しい若者」の価値観を読む (光文社新書)”]僕自身、大学に通っていたので学生の人と触れ合う機会は割りとあるのですが、これを読んだ後は「あ~!そういうことだったのね!」とめちゃくちゃ納得しました。
何かと「常識がない」とか「物欲がない」とか言われがちですが、それにはふか~いワケがあるわけですよ(ΦωΦ)フフフ…
そもそも「つくし世代」とは?
「つくし世代」という言葉は「人に尽くす事が好きな世代」ということです。
そう!今の若い人たちの興味は自分の楽しみよりも「人に尽くすこと」で自分も楽しむというところにあります。
というのもネット環境がかなり整ってきたが故に、人と人との繋がりが希薄になりがちになってしまいました。
もはやこれからの時代、隣の家のカワイイ子が余ったカレーをおすそ分けしてくれる可能性は絶望的でしょう。
そんな時代だからこそ、希薄な繋がりを充実させようとするための「尽くし」というギブの精神を発揮しているのです。
「つくし世代」より一部引用
友達のためにサプライズを頻繁に計画し、そこに全力投球するわけです。
自分のためには貯金するけども、サプライズのためにはお金と時間をじっくりかけるわけですね。
SNSの投稿でもよく「サプライズされたー!」とか顔面パイまみれな投稿を見かけるのもそれが理由です。
引用元:http://www.hapiba.com/ranking/surprise-analysis.html
また別のデータでは、サプライズに関心がある割合は
左の図を見ると、10~20代が8割超えで関心を持っていることが分かっています。
引用元:http://www.hapiba.com/ranking/surprise-analysis.html
さらに、サプライズに興味がある職業別グラフを見てみるとまさにつくし世代真っ盛りの学生が40%以上を占めているわけですね。
2位が専門職、フリーランスなのがちょっと意外でしたが(笑)
僕が学生だった頃、サークル内で誕生日サプライズをしていただいた経験があるのですが、なかなか巧妙な手口でして、数日前から計画されていたとは露知らずな僕は何も疑うことなく指定の場所へ。
結果まんまとサプライズされたのでした(笑)
いやぁ嬉しかったなぁ!!(*´ω`*)
と、話を戻しまして、現代に生きる若者たちはなんと「人を喜ばせることに自分の喜びを見出している」のです。
なんて素敵なんだろう・・・。
つくし世代は日々何を考えるのか?
つくし世代の特徴は大きく分けると以下の3つです。
- 所有するより共有して楽しむ
- 自分よりも人に尽くすことが好き
- 固定概念にとらわれず、オモシロイと思ったものをトコトン取り入れる
所有するよりも共有して楽しむ
今の若い人は「所有すること」にあまり興味がありません。
共有し合ってそこに生まれる一体感に幸せを感じています。
それは「経済状況が悪化している現代だからこそ、いかに安く、極上の経験ができるか」によって生み出された素晴らしき文化なのです。
例えば、最近の若い人のクルマ離れが深刻だ、みたいな話を聞きます。
実際に「若者の」と入れると候補に「若者の車離れ」キーワードがバッチシありますねー!
車を持つとお金がかかるから、お金がかからない「レンタカー」という共有の選択肢を取るわけです。
- 車が必要なのは旅行など少し遠出をするときだけで十分!
- 遠出をするときは仲間と一緒に行く!
- そして誰か1人が車を所有しているか、あるいはレンタカーを使えばOK!
という考え方が今や一般的なのです。
また今の若い人は合理性や機能性を求めるようになりました。
例えば、最近の若い人たちは「車」は「移動手段」であり、自分のステータスを上げるものだとは思っていません。
腕時計なんかでも「今の時間を知るため」あるいは「大学入学祝いでもらった」から付けているだけであり、決して周りを見せびらかして尊敬されたいという欲求はないのです。
ヘタすると、スマホがあるから腕時計なんていらないという人もいるぐらいですからね。
そのぐらいに機能主義なのです。
言い換えれば、本質に注目するようになったともいえます。
「外見カッケー!」よりも「外見はどうでもいいから中身どうなんだ!?」みたいな感じでしょうか。
これは恋愛にもこの傾向は顕著に現れています。
他にも「シェアハウス」や最近流行の「ファッションレンタル」など、これからドンドン所有の概念が消えて共有がメインになっていくでしょう。
今の若い人は決して無欲ではありません。
経済状況を的確に把握して、「いかに安く極上の経験をするか?」という効率性を求めているのです。
その答えが「共有」なのです。
※ちなみに僕は車の免許すら持っていませんw
自分よりも人に尽くして自分も喜ぶ
冒頭でも説明しましたように、今の若い人は人にサプライズを仕掛けたり、他の人と一緒にいる時間をいかに面白くするかに喜びを感じるようです。
これはSNSやネット環境の発達が整いすぎたことで生まれた概念です。
つまり、SNSやネット、オンラインゲームなど全ての環境を使い倒せば正直、自宅から一歩も出ることなく、人と接する事なく生きていくことも可能になりました。
下手するとお金稼ぎすらもネットでできていまいます。
SNSやネットを駆使して1人で殻に籠もれる時代になった結果、人間関係が希薄になりました。
だからこそ、より人との交流やぬくもりを意識したり、交流の密さや質を求めるようになったのす。
それゆえ人に尽くしたいという欲求があるのではないかと思います。
固定概念にとらわれず、オモシロイと思ったものをトコトン取り入れる
今の若い人はいろいろな面白そうなものをガンガン取り入れるため個性が強烈です。
これは個性を大事にすべきだと思っている僕にとってはかなり嬉しいことです。
そもそも一昔前は、テレビやメディアなどで取り上げられた流行が世間に広まっていたわけです。
しかし今は流行は若者が作りだしています。
すなわち、「上から流れてくる情報が全て正しい」という認識がないということです。
だから、上司の言うことを聞かない若者がたくさんいるわけですね(笑)
現代の若い人たちは職場などでも「あの若者はホント常識ないなぁ・・・」と思われがちです。
しかし、それはただ単に常識がないというよりは、上司の言うことに納得できずにいるだけです。
そして、「自分の考えの方がより合理的で理にかなっている」という意識が強かったりします。
自分という確固たる芯があるからこそ、世代の違い人とは摩擦が生じるのかもしれませんね。
ただ、常識や固定概念にとらわれないからこそ抜群な創造力を発揮する一面もあり、面白いと思ったものは境目を気にせずトコトン取り入れていくことのです。
それは良くも悪くもカオス(混沌)であり、ボーダーレスと言えるでしょう。
例えば、一昔前で言えば「オタク」という文化がありました。
「オタク=モテナイ、彼女出来ない」という意味合いで使われ(もちろんみんながみんなとは限りませんが)、
萌系のフィギュアを集めたり、アイドルの写真集を集めたり、アニメに夢中になったり。
言ってしまえばそこに「オタク」という完結された空間があったわけです。
しかし今はどうでしょうか?
モテそうな男子や実際に付き合っている女性がいるにもかかわらず、アイドル系のアプリや音ゲーと言われるものに夢中になり、アイドルを応援するようになり、そしてアニメに夢中になっている。
昔では考えられない「オタク」と「リア充」という「水と油の関係」が今ではほどよくブレンドしているのです。
これはモテる男子が、「自分はモテるからアニメは見ない」といった固定概念に縛られることなく自分に興味のある「オタク的な部分」を取り入れた結果ではないかと僕は思っています。
また漫画にしても、昔は男性は少年漫画を読み、女性は少女漫画を読むという構図でした。
しかし、その構図も崩壊して今では男性でも「君に届け」のような少女漫画を読み、女性でも「ONEPIECE」のような少年漫画を読むようになりました。
これもまた境目なく自分にとって面白いと思ったものを取り入れているからこそなのではと思います
どうしてつくし世代はこんなにもぶっ飛んでいるのか?
なぜ現代の若い人はこのようなオリジナリティが強いのか?
これは育ってきた背景や歴史に依存しています。
本書ではつくし世代はこのように定義されています。
「1992年に小学校に入学した人たちよりも若い世代」というふうに定義させてください。
2015年に30歳になる人たちよりも若い世代です。つくし世代より一部引用
つくし世代が強烈で、良くも悪くも掴みどころがない理由は以下の4つだと本書は述べています。
- 教育環境の変化
- 家庭環境の変化
- IT環境の変化
- 経済環境の変化
教育環境の変化
小学校の学習指導要領が大きく変わったのが1992年であり、個性尊重をハッキリと打ち出した教育方針が採用されたわけですね。
つまり他の学生と競争する相対評価から、その人一人一人の基準を達成するという絶対評価に切り替わったのです。
家庭環境の変化
バブルの影響で共働きの家庭が大きく増えたのが1992年です。
なので子どもながらに1人で過ごす時間が長くなったということですね。
実際僕も幼少期はよく1人で過ごしていました。
IT環境の変化
インターネットが急速に普及したのが1992年で、徐々に電話からメールというツールにみんなの関心が移っていった時代です。
経済環境の変化
1992年にバブルが崩壊して、「失われた20年」と呼ばれる空白の時代に過ごしたからこそ、以前の世代とは異質なマインドが形成されているのです。
以上の4つの観点から、1992年以降を少年期で過ごしてきた現代の若い人は、上の世代とは違う性質を持っていると本書では語られています。
1992年に生まれた僕にとっては「そうなんだ~」ぐらいな感じですが、このような環境からつくし世代が生まれているのですね。
勉強になります!
つくし世代が築いていくこれからの未来は明るい
さて長くなりましたが、これから社会を担っていくのはつくし世代ということです。
じゃあつくし世代が築いていく未来はどうなるのか?
先程も説明しましたが、つくし世代の特徴は大きく分けて3つです。
- 所有するより共有して楽しむ
- 自分よりも人に尽くすことが好き
- 固定概念にとらわれず、オモシロイと思ったものをトコトン取り入れる
これらが常識化したら世の中はどんどん「ボーダー(境界)のない社会」に向かっていくのではないかと思います。
少なくともSNSでは6つの大陸が1つになってしまっているわけですからね。
全ての垣根や概念を超えて全てが1つになる時代。
オタクとリア充が交じり合うように、少年漫画と少女漫画が交じり合うように、境目がドンドン曖昧になっていく社会になっていくと思っています。
一人一人が自分の価値観や経験を他人と共有して、人を楽しませる。
そして自分も喜びを手に入れる。
最近はゲイやバイセクシャルをカミングアウトする芸人も増えていますが、それと同時にその事実を許容する世の中にもなってきています。
なので、全てにおいて、男と女という「ジェンダー」という境目すら薄くなっていくでしょう。
もちろんトイレや風呂は別々じゃないといけないですが(笑)漫画や洋服も男女兼用が当たり前になっていくのかなと思います。
シェアハウスという流行により「自宅」という概念すらもこれからドンドンなくなっていくのかもしれません。
守られるべきプライバシーやそれを保護するレベルが高くなりながらも、共有の概念はどんどん広がっていくでしょう。
さらに、世界各国のあらゆる文化すらもドンドン融合していき、なおかつお互いがお互いを分かち合い、共有し合い、そして人に尽くしまくる世界。
そんな世の中って、めちゃくちゃ素敵じゃないですか?
っと思うのですが皆様どうでしょうか?
これから増々スピードが加速する時代の流れにおいて、変化を嫌う人にとっては絶望的で牙をむくような時代になるのかもしれません。
しかし、常識にとらわれず、変化を受け入れる人にとってはかつてない明るい未来が祝福してくれると思うのですね。
なので、僕は「ゆとり」だの「さとり」だの何かと揶揄されるつくし世代がこれから創り上げていく時代は、今までの歴史の中でも類を見ない程スバラシく明るいものだと思っています。
・・・と感じた1冊でした。
現代の若い人達を非常に的確かつ細かく捉えた本でした。
僕はKindleで読んだのですが、指のスワイプが1秒たりとも切らすことなくスラスラ読めるほど面白いです。
すごく本質をついた良本ですので是非ご堪能あれ~♪
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では!
PS.
「本読むなら絶対冊子だろ!」とアナログ的な考えだった僕でしたが、時代に流され(笑)最近Kindleを使うようになりました。
いやぁ、Kindleめちゃくちゃ便利ですねぇ!w
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